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以前鼈というつけ麺屋に行った時、本当は行こうとしていたのですが空振ってしまったお店があったんです。
それがこちらの「えどや」。南口を出て西にダッシュで4分ほどのところにある、なかなか趣深い佇まいのお店です。どうやらえどやの前も、こちらはラーメン屋だったらしく、そのお店の店主が引退した後で丸ごと居抜きして開店したお店なんだって。
なぜこのお店をずっと狙っていたかと言いますと、なんと2016年、17年と2年連続でミシュランガイドのビブグルマンに掲載されていたという実績があるからです。
今まで通ったつけ麺店でミシュランガイドに掲載されたお店って、「すぎ本」「鳴龍」「こてつ」「篝」など、かなりおしゃれなお店が多かったんですが、そんな中このレトロでクラシカルな見た目のえどやが選出されている。これはどんなつけ麺を提供するのか、マジでわからない。そんな理由から非常に楽しみにしていたんです。
入ると無骨な店主の「どうぞいらっしゃい」という言葉が。どうやら夫婦で経営されているらしく、お会計や提供などは基本的に奥さんが担当している模様。その奥さんの振る舞いが非常に気持ち良い。なんだろう、天空の城ラピュタに出てくる、親方の奥さんわかりますか? あんな感じの肝の据わった、それでも優しさのあるかあちゃんみたいな対応なんですよね。そして無骨な店主。この組み合わせはもう、すごく良い。
厨房の中は2畳くらいしかないんじゃないかというくらいの狭さで、カウンターの幅もかなりちっちゃい。やっぱり昔からのお店を居抜きしただけのことはあり、とても綺麗だとは言えませんが、なんか昭和の暖かさがあるんですよね。
気分がよくなりまして、一番高いつけ麺を注文しました。
すごい美味しそうな見た目だぜ。器がおしゃれで非常にアンバランスな感じがします。
麺はやわめの多加水っぽい麺ですね。かなり色が白く見えます。写真ではわかりづらいかもしれませんが、チャーシューがかなり分厚い感じで、ドカンと乗っています。あとは味玉と濃い色のめんまがたっぷり乗っています。
スープはいりこの香りが強く、なんとも美味しそう。動物×魚介系といっても、最近の流行りとは異なり、ずっと昔からあるようなクラシックな感じ。
これは本当に、なんというか、うん。
これをビブグルマンに選出した人って、マジでわかってると強く思いました。
今のつけ麺ってどんどん進化してきていて、穂先めんまだったり低温調理チャーシューだったり全粒粉入り麺だったり、どんどんと美味しいものが増えてきて、それらの素晴らしい食材をさまざまなジャンルで利用して組み合わせるという、多様性そのものがつけ麺業界のメインストリームとなっていると思うんです。
しかしながら、ここえどやはそれが一切ない。コシが強い麺もなければ、濃厚ドロドロのスープでもない。ましてやお手拭きも券売機すらないんです。でも、出されたこのつけ麺の味が非常にしみる。
無骨。これだよ、これ。
カエシの醤油の味と、スープの出汁の塩梅がとても良いんです。変に味が濃くてすぐに満腹中枢がやられるということもなく、さっぱりと食べれる。薄いのではなく、ちょうど良いんです。大盛りにすればよかったか・・・。
そしてこのめんまの味も、なんだか懐かしい。
惜しみながら食べ終わったところで、奥さんがトコトコ近づいてきて、一言。
「割る?」
これ!!マジでこれ!!これで良いんだよ!!
かなりの量の肉を食べたのですが、まだまだ全然いける。ということで、最後に卵かけご飯(150円)を追加で注文しました。これに醤油と、スープをかけて食べるのです。もう、至福のひとときでした。
個人的に、こういうお店にはずっと繁盛してほしいです。このあいだ行った時はお昼時でしたが、行列もなく普通に入れるくらいには空いています。小岩に行った際にはぜひ見つけて食べて見てください!