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好み
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おしゃれつけ麺というムーブメントがあります。おしゃれじゃない僕にとってこれはかなり問題でして、なんとかして食らいつきたい反面、リア充に対する恐怖心のようなものがあります。
ここ上野にある「案山子」という麺屋もまた、おしゃれなつけ麺を出すお店として有名です。人気店と言うほどではありませんが、サブカル好きな、王道とは距離を置いた人生を歩む人に好かれる、そう、長髪で眼鏡をかけて野田洋次郎みたいな服装を好む若者に好かれる、知る人ぞ知る良店なんだそうです。
見てわかる通り、入り口からしてつけ麺屋っぽくはないですよね。
この日は大雨だったからか、お客さんは僕一人。店内はこんな感じのおしゃれ具合でして、木でできたお盆になんとなく温かみを感じる作りとなっています。
なんともおそろしいことに麺は「細、中太、太」の3種から自由に選べるとのことです。好みの押し付けをせず、自由に選んでほしいと言うのも確かに現代的。
卓上調味料は胡椒と七味と酢なんでしょうけど、もうここまでおしゃれだと違うものが入っててもおかしくない。酢だと思ってるものはオリーブオイルかもしれません。もう入れ物が酢じゃないよってアピールしてる気すらします。
そしてすぐにつけ麺がやって来ました。
ちょっとまって、おしゃれすぎじゃない?
まず見てほしいのがこの器です、うつわ。
みてください、これ斜めなんですよ。こっち向きに解放されている、なんだろう、ドラム式の洗濯機みたいに器がこっち向いているんです!
これ、新しいなぁ〜。
麺のトッピングもこれ、相当おしゃれですよね。
醤油、煮干しに刻み玉ねぎはめちゃくちゃ合うんです。個人的にはむちゃくちゃ好きなトッピングですが、問題はそこじゃない。たけのことレンコン。これがネックです。この二人は正直なんのためにここにいるのかわかってるんでしょうか。出荷される段階で「ああ、おれは煮物かな〜」「いやいや、酢豚なんてこともありえるぞ」と胸を高鳴らせ、いざ出荷されてみたらつけめんのトッピング。
あれ? って感じでしょうね。
でも、よくよく考えてみたらメンマもバンブーです。意識高いチーズフォンデュみたいなやつが野菜が丸ごと出てくるように、がメンマも意識高いと素材そのものの形になってしまうというわけか。
煮干しスープはいたってシンプルですが、おしゃれ系にしては味がかなり濃そうです。にしてもかなりいい香り。
さて、おしゃれ系はかなり斜めから見てしまう僕ですが、いざ食べてみます。
めちゃくちゃ美味いです。負けました。
ええ、なんでこの店こんなに来客少ないのってくらい、ものすごく美味しいです。
正直このたけのことかはどうでもいいんですが、つけ汁の美味しさが半端ない。
細麺だからこそなのか、繊細な煮干しのスープがしっかり映えていて、マジで美味いです。
煮干し系が好きだからということもあるとは思いますが・・・。
そしてしっとりした鶏チャーシューとの相性も抜群です。鶏肉の味が薄い分、ディップすると煮干しの香りがめちゃくちゃ花を通ります。
参りました。
店員さん暇そうでしたんで、「おしゃれとは無縁の僕ですが、また、通ってもいいですか?」と店員さんに尋ねたところ、「あ、はい、ども」的な返答でした。多分聞こえてなかったんだと思います。そうですよね。